大学教授でもある、くられ先生の新刊
「アリエナクナイ科学ノ教科書」の出版記念イベントです。
一緒に登壇された、稲垣理一郎先生は週刊少年ジャンプの「アイシールド21」や現在連載中の「Dr.STONE」を手がけていらっしゃる漫画原作者の先生です。
はじめていった渋谷ロフト9は天井の高い綺麗な空間で、他のロフト系列のお店とは違った雰囲気でした。渋谷が一番好きだな、個人的には。
さまざまな話題が出ましたが、個人的には「感情や思考の傾向もスマホで制御できるようになるのか問題」が興味深かったです。
昔読んだSF小説にそのようなテーマのものがあり「自分で感情を制御できるようになることが自由」というようなメッセージがおそらく書かれていたのですが、
「感情は自然発生的なものだ派」、と「感情は目的があって喚起している派」によって受け止め方がちがうと思うんですね。
感情は自然発生的なものだ派からすると、感情をシステムによって制御するって、自分が自分じゃなくなるような畏怖の念があるんじゃないかなぁ、と思います。
この問題は、突き詰めると「自由意志」はあるのか?問題につながると思っております。
世の中には「環境管理型アーキテクチャー」と呼ばれるものがあり、例えばある居酒屋でご飯を食べたとして
「今日はやたらお酒が美味しかったな」と思ってたら、実はお酒をたくさん飲むように味の濃い料理が意図的につくられていた店の方針だった。
というように、自分では気づいていないうちに誘導され、行動が規定されていたみたいなパターンです。
こう考えるとどこまでが「他人に操作されている領域」なのかどこまでが「自由意志」なのかはわからなくなってきますよね。
自分で「自由に選んでいるつもり」が「自由意志」なのであれば、洗脳されきっている人の「自由意志」は「自由意志」と呼べるのか?とか。
そもそも人間には「自由意志」はあるのか。また「自由意志」があることは人間にとって必須条件なのか。それとも権利なのか。といった具合に問題が枝分かれしてきます。
主宰している「この哲学がスゴい!」サロンではそのようなことを話し合っているのですが、(9日にひらいたイベントではフェティシズムについて話あったけれども)まだ自分でも結論がない問いばかりなので、試行錯誤中です。
今日のイベントは、知に触れて楽しいイベントでした。見に来てくださったみなさまありがとうございました。
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